法人破産 [事例5]

値下げ競争による利益率低下と社長の疾病による営業困難で破産した事例

設計・施工業
債務整理方法借金総額
破産 6,000万円⇒0円

背景

店舗の内装設計と建築施工が中心の会社様です。開業当初は手形割引を利用することによって金融機関から融資を受けることなく事業を行っていました。その後、一時不如意の場合には金融機関から融資を受けることはあったものの、返済に問題はありませんでした。

しかし、受注獲得を最優先し採算を軽視した金額で受注すること等を継続した結果,利益率は年々低下し、急激に資金繰りが悪化しました。
加えて、かかる状況下で社長様(以下、Aさんと呼ぶ)が病気になり、業務に支障をきたすようになりました。Aさんは手術を行うなど体調回復に努めましたが、病状は容易には改善されませんでした。
会社の資金繰り及び自身の体調の両面から今後の事業継続に強い不安を覚えたAさんは、当事務所へご相談にいらっしゃいました。

対応

事業の性質上、外注業者を数多く利用されていたため、債権者の特定が一つの問題となりました。
Aさんとそのご家族の協力のもと、請求書の精査等を行って頂くことによって特定を進め、確定した都度、受任通知(弁護士が介入したことを知らせる通知)を発送することを繰り返しました。最終的には全債権者を特定し,受任通知の送付を完了することができました。

なお、売掛金はご依頼前に全額を回収済みでしたので、Aさんにその使途を詳しく記帳していただき、不当な処理の有無を精査しました。

結果

多数の債権者から問合せが殺到する可能性があったため、受任通知以外にも、Aさんから一言、お詫びの連絡をして頂くよう指導しました。
その結果、債権者から非難めいた問合せやAさんの経営者責任を問う厳しい指摘などは殆んどありませんでした。債権者集会においても債権者からの異議やAさんの経営責任を問う意見はなく、無事に終了しました。
そして最終的に、会社名義の借金6,000万円が0円になりました。

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